セント・ジョージの伝説 - 秋月庵
セント・ジョージ ドラゴン退治伝説

3世紀の終ごろのお話です。

セント・ジョージは、騎士の修業をしながら、各国をまわり、 福音を述べ伝えていました。

そんな旅の途中、ある国の国境に通りかかると、女の泣く声がしました。

セント・ジョージは、泣き声がする方へ、近づいて行くと、 若い女が泣いていました。

泣いていた、事情は次の通りでした。

 

数年前、のどかで平和な国に、火を吐くドラゴンが現れ、暴れはじめました。

王様は、子羊をいけにえとして捧げ、ドラゴンが暴れるのを抑えました。

しかし、子羊が、どんどん、減って行き、ついにいなくなってしまいました。

そこで王様は、若い女をいけにえに捧げることを決断しました。

毎回、公平に、くじ引で、いけにえになる若い女を決めることになりました。

そして、彼女の番が回ってきました。

 

この話を聞いたセント・ジョージは、ドラゴンを退治することを、彼女に伝え

そばの草むらに身を隠しました。 ドラゴンをおびき出すためです。

それから、数時間後、火を吐くドラゴンが現れました。

セント・ジョージは、草むらから身を起こすと、ドラゴン向けて突進して行きました。

ドラゴンが火を吐くと、退き。 しかし、すぐに、ドラゴンに向かって行く。

ドラゴンが暴れると、倒され。 しかし、すぐに、起き上がり、ドラゴンを攻める。

そんな、一進一退の戦いが、長い時間続きました。

それでも、セント・ジョージは、諦めず、何度、退いても、何度、倒されても、

その度に、何度も前に向かい、何度も起き上がり、戦い続けました。

そして、ついに、火を吐くドラゴンを退治することが出来ました。

 

セント・ジョージは、助けた若い女と、国の都に行きました。

若い女は、王女で、王様はセント・ジョージを城に迎え入れました。

そして、たくさんの褒美をセント・ジョージに与えました。

セント・ジョージは、自分が宣教の旅をしていることを王様に伝えました。

王様は、セント・ジョージに国内での布教活動を許可し、 王様自らも福音に耳を傾けました。

セント・ジョージは、この国にとどまり、国全体に福音を述べ伝えました。

そして、もらった褒美は、貧しい人や、困っている人達に、 すべて、わけ与えました。

セント・ジョージは、国全体に福音が広まったことを知ると、 国を出ることを決めました。

ドラゴンで苦しんでいる多くの国を助けるためです。

国を出る日、王様は土産にたくさんの贈り物をしました。

セントジョージはそれを受け取ると、王様に、この贈り物を

貧しい人や困っている人達にわけ与えるように頼み、その贈り物を返しました。

国王、王女をはじめ、多くの国民が、別れをおしむ中、 セント・ジョージはこの国をさりました。

 

この後、セント・ジョージは、多くの国を巡り、多くのドラゴンを倒し、

そして、多くの国に、福音を述べ伝えました。

 

おしまい。